ユーザー車検を受ける車検場に車を持ち込んだ際、チェックされる項目は限られています。ですからここに挙げる項目が全て問題なければ車検に合格する事が出来ます。ではひとつひとつ見ていきましょう!
電気系統
まずは電気系統ですね。順番に記載しますので自分の車の動作を確認してみましょう。
ウインカー左右
ウインカーは左右、前後全て点かないと車検に通りません。球切れが起きるとカチカチ音が早いスピードに変わります。文章で説明するのは難しいですが通常は「カッ、チッ、カッ、チッ」って感じだと思いますが球が切れると「カチカチカチカチ」と途切れなく点滅するようになります。
切れていたらカー用品店で電球を買って自分で交換するか、整備工場へ行きましょう。昔はガソリンスタンドでもやってくれていましたが、最近はセルフのスタンドが増えたのでガソリンスタンドでの交換は難しいかも知れませんね。
ハザード
ハザードランプは機能していますか?ボタンを押しても動作しない場合は修理が必要です。
スイッチを押して、カチカチ音が聞こえるからOKではなく、スイッチを押して車から出て、全てのウインカーランプが点灯しているか目視で確認しましょう。
スモールランプ
ヘッドライト点灯スイッチは通常2段階になっていると思います。その1段階目までスイッチを回して車から降りる、そして左右ヘッドライトに小さな電球が点いているか確認して下さい。
次に後ろに回り、ブレーキランプが左右共に弱く点灯しているか確認して下さい。
後ろのナンバープレートを照らすライトが付いているはずです。それが2つあるなら左右共にちゃんと点灯しているか確認して下さい。
ブレーキランプ
これは一人で確認するのが難しいのですが、ブレーキを踏んだらブレーキランプが全て点灯するかどうか確認します。
どうしても一人でやらなければいけない場合、スマホで後ろから車全体が写るように動画を撮れば、一人でもブレーキを踏んで動作するか確認出来ます。
ハイマウントストップランプも確認
これは付いている車と付いていない車がありますが、左右のブレーキランプ以外にリアガラスの上部や下部に別のブレーキランプがある場合、これも全部点かなければダメです。全部というのはハイマウントストップランプは電球が8個とか10個とか複数の電球で作られている場合が多いからです。しっかり確認しましょう。
バックランプ(リバース)
ギアをバックに入れた際に後ろを照らすランプです。これはエンジンが掛かった状態で調べるのは危険ですからくれぐれも気をつけて下さい。2名で行うのが一番ですが、無理な場合は先に述べたように録画して後から確認する方法が良いと思います。
バックランプは左右に付いている車もあれば片側しかない車もあります。その部分だけが無色か透明のレンズになっているはずですから、それで他のランプと見分けが付きます。
バックフォグランプ
軽自動車でこれが付いている車は見た事がありませんが、車種によってはあるのかも知れませんので、一応そんなランプもあるんだという意味で記載しておきます。
霧が深い状態で走る際、追突される危険がありますので後ろ方向に赤く照らすランプです。
ヘッドライト
ロービームとハイビーム、右も左も切り替わり、きちんと点灯しますか?
フォグランプ
これは付いている車と付いていない車があります。もしフォグランプ付きの車なら、まずはスモールランプを点灯させてからフォグランプのスイッチを押して左右ともに点灯するかどうか確認して下さい。
純正のフォグランプだと問題ないかと思いますが、後付けのフォグの場合、スモールランプが点いていない状態でフォグが点くと車検に通りませんので、後付けフォグの場合はスモールオフで付いてしまわないか確認した方が良いですね。
ホーン
あまり鳴らす事がないホーンですが車検には必ず必要です。キーをオンにして(エンジンが掛かっている状態で良い)ホーンボタンを押してみて鳴るかどうか確認しましょう。
フロントワイパー
ワイパーが動かない、ワイパーのゴムが切れたりしていませんか?
ウォッシャー液
フロントガラスを洗浄するウォッシャー液は出ますか?
出ない場合
スイッチを入れると「ウィーン」とか「ブーン」などと音がするけど水が出ない場合はタンクが空の可能性が高い(ゴムホースが外れたり切れたりしている場合もある)です。モーターを空回りさせると壊れてしまいますので、すぐに「普通の水道水」で良いですから満タンまで補充しましょう。
出ない上に動作音がしない
これはモーターか何かが故障している可能性が高いですので、このままでは車検は通りません。すぐに整備工場へ行きましょう。
室内、装備品とエンジンルーム
室内の装備とメーター表示、エンジンルームのチェックです。
発煙筒はありますか?
車検証が入っているグローブボックスの中か、助手席の足元、ドアの付け根の位置にあるはずです。この発煙筒が無いと車検には合格しませんので確認して下さい。
ボンネットの開け方はわかりますか?
これまで一度もボンネットを開けた事がないという方もおられるでしょう。一般的には運転席の周りにボンネットオープナーはあります。ハンドルの下側だったりアクセルの右側の壁に付いていたりします。わからなければ取扱説明書を参照しましょう。
車体番号の位置はわかりますか?
ほどんどの車はボンネットを開けた状態で確認します。ワイパーの付け根あたりの鉄板に刻印がありますので探してみて下さい。分からない場合は検査員が見つけてくれると思いますが、出来るだけ先に自分で見つけておきましょう。ネット検索で「車種名:車体番号:位置」などでも調べる事が出来ると思います。
エンジンの刻印
エンジンの刻印に関しては検査員が見つけると思いますので分からなくても問題ありません。
メーターに何か表示が出ていませんか?
普段何気に運転していても、見慣れない表示があれば気がつくと思いますが、以下のようなランプが付いていると車検には通りませんのでしっかり確認して下さい。
エンジンチェックランプその他警告灯が点灯していませんか?
上の画像の内容そのままです。エンジンがかかった状態で、メーターの中に画像に書かれているいずれかのランプが点灯したままだと車検には通りません。またこの系統の故障は自分で修理するのはほぼ無理だと思った方が良いので、すぐに整備工場へ行って見てもらいましょう。
シートベルト警告灯は点灯しますか?
エンジンをかけてシートベルトを装着すると、メーターの中のシートベルト警告等がちゃんと消える。逆に外すと再び点灯する。これが機能しないと車検は通りません(警告灯のない古い車は別)。
下回り
タイヤの溝はありますか?
ハンドルをいっぱいに回して(右も左も確認)タイヤの表面を見てみましょう。スリップサインが出ていると交換時期です。外側に溝があっても内側は減っている、こんな偏摩耗と呼ばれる状態もダメです。これは命に関わりますので必ず交換するようにしましょう。
スリップサインとは?
以下ダンロップのサイトは動画付きで詳しく説明されていますので、詳しく知りたい方はご覧下さい。
ドライブシャフトブーツの破れはありませんか?
ハンドルを切って下廻りを確認する際は、ハンドル操作が終わったら確認する前に必ずエンジンを切って下さい!
まずタイヤの確認と同様にハンドルを目一杯まで切ります。構造にもよりますがいっぱいまでハンドルを切るとドライブシャフトブーツが見えます。
このジャバラのゴムがドライブシャフトブーツです。これが破れていると(敗れると言うより裂ける)車検には通りません。破れると、中に入っているグリスが周りに飛び散っていますので、グレー色のグリスでベタベタになっていると必ず破れていますので、それも確認の目安になります。
ステアリングラックブーツの破れはありませんか?
ハンドルを切って下廻りを確認する際は、ハンドル操作が終わったら確認する前に必ずエンジンを切って下さい!
ステアリングラックブーツとは、ハンドルを切るとタイヤを押したり引いたりしてタイヤの角度を変えている部品の根元に付いているジャバラのゴム部品です。
あまり良い写真が手元にないのですが、この奥に見える細長い形のジャバラのゴムです。これもハンドルをどちらかに切ると目視で確認出来ると思います。
ホイールキャップは外れていますか?
アルミホイールでなく鉄ホイールの車は、樹脂でできたホイールキャップが付いている場合があります。車検の際、ホイールのボルトの緩みがないかどうかの確認をしますので、このキャップは取り外しておく必要があります。
排気ガスとマフラーの状態
排気ガスに関して
これは専用のテスターが無ければ調べようがありません。普段の走行中、アクセルを開けてもなかなか加速しない、排気ガスからかなり変な匂いがするなどがなければ大丈夫でしょう。
不安であれば車検前にテスター屋へ行き、排気ガスのチェックをしてもらうと良いかと思います。
ただ、走行距離が10万キロを超えている、年式が10年以上経過しており、その間一度もプラグ交換をした事がない、そういった場合は排ガス検査で落ちる可能性はゼロではありませんので、一応事前にチェックする方が良いでしょう。
交換するとしても3気筒(ピストンが3つのエンジン)だと基本的にはプラグ3本、工賃も入れて5000円も掛からないと思います。燃費も良くなる可能性もありますから、10万キロが近いのであれば交換を検討しましょう。
マフラーの状態
これは腐食や穴あきですね。エンジンをかけたらなんか他の車よりうるさい、走行中のマフラーの音も自分の車の音がうるさい気がする。なんて場合はマフラーに穴が開いているかも知れません。
小さい穴であればテスター屋で修理可能かと思います。しかし修理と言うよりは「とりあえず車検が通るようにする」といった感じの作業ですから、長く乗るのであればきちんと直した方が良いかと思いますので整備工場へ相談に行きましょう。
おわりに
たくさんあるように見えますが、そう大した数でもありませんので、ひとつひとつ確認してみて下さい。
荷物は下ろしておきましょう
ライトのところでも書きましたが、重い荷物を積んでいるとライトの角度に影響しますので、車検の際は、重めの荷物は下ろしておくようにしましょう。